遠くにありて思うこと〜東北太平洋沖地震を後世に残すべき歴史として記録するために

パニック映画さながらに、大地は揺らぎ、津波が街を飲み込んでゆく。
まさしく驚天動地のあり様が、連日連夜のニュースで報道されている。
カメラやマイクを向けられた人々は、不安で張り裂けそうな心を後回しにして、時に言葉を詰まらせながら、自分ができる目いっぱいのことをし、気丈にそのことを語る。


僕は、断腸の思いでその様をみる。
瓦礫のなかから他人を助け出したその人は、奥さんが行方不明だという。
もし、それが自分だったら、そんなことを考えたら、とてもやりきれない。


だから、せめて被災者の方々の役に立ちたいと思うけど、何もできないという妙な無力感にさいなまれている(もちろん募金はしたし、献血はするつもりだが満足できそうにない)。
しかし、僕の内心がどうあったところで、被災者の方々の状況が少したりと好転するわけではない。


そこで僕は考える。
天災という取り返しのつかない時間を共有し、心を痛めはするが、空間を共有できない遠くにある者に、何ができるのかということについて。


結論から言えば、冷静にこの件を見つめることに尽きる。
見つめた上で、僕は共有した時間を記録し、記憶し、これから発生する可能性がある不幸を少しでも生み出さないようにしたいと願う。
だから、本当に何が起こっているのか、それを見極めるための情報を、まずは自分のための手控えとしてまとめておきたい。


1.発生*1
(1)平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震
○発生日時 平成23年3月11日 14時46分頃
マグニチュード 9.0(暫定値)
○場所および深さ 三陸沖(牡鹿半島の東南東、約130km付近)、深さ約24km(暫定値)
震度5強以上を観測した地域
震度7 宮城県北部
震度6強 宮城県南部・中部 福島県中通り浜通り 茨城県北部・南部栃木県北部・南部
震度6弱 岩手県沿岸南部・内陸北部・内陸南部 福島県会津 群馬県南部 埼玉県南部 千葉県北西部
震度5強 青森県三八上北 岩手県沿岸北部 秋田県沿岸南部・内陸南部 山形県村山・置賜 群馬県北部 埼玉県北部 千葉県北東部・南部 東京都23区 新島 神奈川県東部 山梨県中・西部 山梨県東部・冨士五湖
津波警報等発表状況(3月13日17時58分発表)>
津波注意報は全て解除しました。現在、津波警報・注意報が発表されている沿岸はありません。
<主な検潮所で観測した津波の観測値(3月14日19時00分現在)>
津波観測点名称  津波の高さ(最大波) 最大波観測時刻
相馬 7.3m 以上 11日15時50分
大洗 4.2m 11日16時52分
釜石 4.1m 以上 11日15時21分
宮古 4.0m 以上 11日15時21分
えりも町庶野 3.5m 11日15時44分
石巻市鮎川 3.3m 以上 11日15時20分
いわき市小名浜 3.3m 11日15時39分
大船渡 3.2m 以上 11日15時15分
むつ市関根浜 2.9m 11日18時16分
根室市花咲 2.8m 11日15時57分
十勝港 2.8m 以上 11日15時57分
八戸 2.7m 以上 11日16時51分
浦河 2.7m 11日16時42分
浜中町霧多布港 2.6m 11日22時19分
須崎港 2.6m 11日20時59分
苫小牧東港 2.5m 以上 11日16時17分

(2)長野県北部を震源とする地震
○発生日時 平成23年3月12日 3時59分頃
マグニチュード 6.7
○場所および深さ 長野県北部、深さ8km(暫定値)
震度5強以上を観測した地域
震度6強 長野県北部
震度6弱 新潟県中越
震度5強 群馬県北部 新潟県上越

(3)余震(3/16 18:00現在)
M7.0以上3回、M6.0以上48回


2.被害状況(3/16現在)

火災計257件

停電559,254戸→245,927戸(3/20現在)
ガス供給停止 465,604戸→439,565戸(3/20現在)
断水 
青森・岩手・宮城・福島・秋田・山形・茨城・栃木・千葉・新潟・長野・岐阜
約1,641,354戸→約1,166,054戸(3/20現在)

道路・鉄道等の交通網の寸断(↓通行実績ありの道路)
http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011_traffic.html


3.救助
3/11 14:50 官邸対策室設置


防衛省海上保安庁青森県農林水産省から供給)
海外の援助隊
12日 韓国・シンガポール
13日 ドイツ・スイス・米国・中国・イギリス
14日 メキシコ・ニュージーランド・オーストラリア・フランス・台湾
15日 ロシア・モンゴル
予定 イタリア・マレーシア・トルコ


4.その他

  1. 特別措置(預金証書、通帳を紛失持の預金払い戻し特例措置/政府系金融機関の融資や農林水産業被害、被災中小企業向け相談窓口の設置)
  2. 3/11 帰宅難民発生(2011-03-13
  3. コンビニ等で、食料などの品薄化(http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20110313/1299997896
  4. 日銀16日までに28兆もの資金供給(ちょっと関係ないが、日本経済のクルーグマン教授の流動性の罠を脱せるかもという展望の翻訳→クルーグマン:メルトダウン経済学 - P.E.S.
  5. 福島第一原発で5年前から老朽化対策の指摘があったにもかかわらず、放置のすえ爆発し、東京電力の作業員は水際で放射性物質が漏れないよう、作業を続行(2011-03-16 - ▼CLick for Anti War 最新メモ福島第一第二原発事故を予見していた共産党吉井英勝衆院議員(京大工学部原子核工学科卒)の2005-07の国会質問(その1)小泉改革が世界最大の起震台を持つ大型耐震実験施設「多度津起震台」を廃止した 1977年から5年の年月、310億円(半分は国費=わたしたちの税金)かけた施設を2億7700万円で叩き売り 買い取った業者は解体、スクラップ 当時の維持費は年間10億円: 天漢日乗福島第一第二原発事故を予見していた共産党吉井英勝衆院議員(京大工学部原子核工学科卒)の2005-07の国会質問(その2)多度津の起震台では「老朽化した施設の実験をせず」不作為による事実の隠蔽か?→コンピュータのシミュレーションで大丈夫という政府判断は2007年中越沖地震の柏崎刈羽原発事故で崩壊: 天漢日乗福島第一第二原発事故を予見していた共産党吉井英勝衆院議員(京大工学部原子核工学科卒)の2005-07の国会質問(その3)地震で電源が破壊され冷却システムが機能停止する危険を2006年に指摘するも、政府は「大丈夫」の一点張り マスコミも大スポンサー電力会社に「配慮」して今回起きた危険が指摘されていたのを総スルー: 天漢日乗http://ewq.jp/wp/?p=2867だからチェルノブイリとは違うって何度言えば分かるんだってばよ!原発についてまとめてみた / icorohttp://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html
  6. 被災地での深刻な物資と人手不足(配布や調整に当たる自治体自体が消滅した被災地もあるため→Good night, Posterous
  7. 3/16円高進む

原発事故でなぜ円高? ドル買い・海外投資に慎重 :日本経済新聞
 (前略)16日は海外市場で一時1ドル=80円台前半まで円が買われた。地震後になぜ円高なのかをまとめた。
Q 地震原発事故は日本経済に打撃なのに、なぜ円が買われるの?
A 日本は経常黒字国なので、海外に製品を輸出して得た売り上げや、海外で保有する証券から得た利子や配当などが、日常的にドルから円に換えられている。一方で、国内の投資家は海外に投資するために円をドルに換えている。普段は円買いと円売りがある程度釣り合っているので、円相場が安定している。だが、国内投資家が海外への投資に慎重になるとバランスが崩れ、円高が進みやすくなる。このため、今回の地震のように投資家の不安心理が高まる局面では円高に振れやすい。(後略)

5.所感

  1. 地震が起きて、心配すべき被害は、建物損壊、津波、火災、崖崩れ等がある。
  2. ライフラインがダメージを受けることが想定され、停電、断水、ガス供給、交通寸断は覚悟する必要がある。
  3. なかでも、断水は深刻で、約160万戸にいまだに影響している。
  4. 地震から救助まで、阪神大震災の教訓もあり、大分初動が早いように感じる。
  5. 救助について、自衛隊の活躍が目覚ましい。
  6. 海外からも地震翌日から救助が始まっている。
  7. 食料については、単純におにぎりやパン、即席めんなど、一食どれか一つを避難者が食べたとして、32日分のものが届きつつあるが、配布に当たる自治体自体が消滅状態にあるところは、行き届いていない現状にある。


以上のことは情報強者の諸賢には、当たり前すぎることかもしれないが、ひとまず、自分用のメモとして、残しておきたい。

※3/20追記
原発関係について、正直わからないことが多いので、自分が参考にできると思ったものだけ、リンクを貼っている。
ただ、得られる限りの情報から言えるのは、政府が出している情報と避難にかかる処置について、矛盾するところはないと思っている(直ちに人体に影響を及ぼす・・・とか、大変わかりづらい表現だったりと混乱をきたす要素をはらんでいると思うが)。