音楽

ポップを標榜した秦基博の音楽

秦基博のライブに行った。 今回は1月末に発売された4thアルバム、signed popを基調にしたライブ。 今回のアルバムで特徴的なのは、プロデューサー陣が多彩だということ。 音楽性の幅が前作よりぐっと広がっている。 pop、秦本人は、それを普遍性と語る。 口…

家族のうたが打ちきられる件

フジテレビの豊田皓社長は25日、東京・お台場の同局で定例社長会見を開き、 視聴率の不振のため第8話で打ち切りが決まったオダギリ・ジョーさん主演の連続ドラマ 「家族のうた」について、不振の理由を「主人公のキャラクター設定が、 典型的なロックミュー…

都と鄙とロックと〜フィッシュマンズとカサリンチュ

4か月も前になるが、カサリンチュの初ワンマンライブを観た。 一曲めの「high high high」でタツヒロが歌詞を飛ばしてしまうというハプニングにはじまったが、緩急のある構成で、聴かせるし、楽しいし、とにかく盛り上がったいいライブだった。 箱が小さいか…

ロックの精神性について〜「怒哀」と普遍性

「ロック」と聞いて連想するものは?と問われて何を答えるだろう。 セックスピストルズやMC5、日本では忌野清志郎みたいな人たちが体現するもの? もちろんそれは僕も連想する。 しかし、僕は、たとえばDAIGOをみても、ロックをあまり連想しないし、ロッカー…

とめどなくさびしいけど、その気持ちに逆らわないということ〜しばじゅんと僕たちの未来

震災を機に、結婚!!というのが、トレンドらしい。 凶事も慶事も紙一重。無常が身にしみる。 8月3日リリースの、柴田淳の「僕たちの未来」が最近の僕のヘビーローテーションだ。 一言でいえば、とめどなくさびしい。 柴田淳の歌に通底していることだが、…

しばじゅん、ちょwwwこれ、反則だってばwwwww

さすがの僕も今日は取り乱すさ。 柴田淳。 ブログの歌姫。 昼ドラの女王。 いろんな肩書きをお持ちな彼女の10周年記念アルバム「僕たちの未来」を手に入れたのだ。 さっそく封を切り、いそいそと聴くためにCDを取ると・・・ ちょwwwこれ、反則wwww…

反骨の作法について〜斉藤和義反原発ソング「ずっとウソだった」をめぐって

地震発生以来、日々刻々と情勢が変化して、しかも東電・政府・原発保安院で微妙に言ってることが食い違ったりして、もはや僕のような一般市民では判断を下すための情報を処理するのに、多大な時間を要するであろう案件が、福島第一原発の放射能漏れの問題。 …

ボンヤリと空を眺めることが好きな「僕」がいる音楽〜フィッシュマンズ

日本のレゲエと聞くと、ちょいと身構える僕がいる。 今聞こえてくるレゲエは、軽薄すぎて聞くに堪えない代物ばかりだからだ。 まともなレゲエを聞かせてくれたFishmansのフロントマン、佐藤伸治がこの世を去って久しい。 不在を嘆いても仕方ない。 僕は、彼…

悲しみを払拭するに足りないやさしさと「僕」〜秦基博再々論

前回・前々回で、 1.英語を使わない日本語の詩で勝負していること 2.彼の詩の世界には、季節や風景が描かれていること 3.詩に描かれた季節や風景のなかに、「僕」の気持ちを切り取って焼き付ける独特のセンスがあること を評価し、 4.「誰かのために…

「僕」が強くそして優しくある秘訣〜秦基博再論

前回伝わりにくかったと思うが、秦基博について、 1.英語を使わない日本語の詩で勝負していること 2.彼の詩の世界には、季節や風景が描かれていること 3.詩に描かれた季節や風景のなかに、「僕」の気持ちを切り取って焼き付ける独特のセンスがあること…

移ろいゆく風景と「僕」がいる音楽〜秦基博「Documentary」

僕は日本語の響きが好きだ。 ただ、日本語は絶えず意味が隙間を埋めようとして、時に重たくなる。 音に乗ればなおさら際だつ。 でも、そんなことを気にさせない歌い手を僕は知っている。 秦基博だ。 彼はどんどん世に歌を送り出す。 なんだか似たテイスト? …

あかるいだけじゃ嘘っぽい〜ウェールズの歌姫Jemの「Down to earth」にひっかかった

真正面にリスナーに向き合い、はっきりした発音で、しっかりとした生音を届ける松千の音楽に心は震える。 だがしかし、はっきりしないからこそ、ひっかかる(かといって洗練された)音がある。 それは、UKはウェールズ出身の歌姫JEM「Down to Earth」のそれ…

blueな炎でやけどして〜Joni Mitchell「blue」を聴いて考えた異性のこと

どうでもいいけど、振り返ってみると僕が好きになる子は、絵が上手だ。 絵心が全くない僕は、デフォルメされたお茶目なキャラを模写するのがやっとだというのもあるのかもしれない。 好きになるといえば、歌がうまければなおさらだ。 アルトやソプラノの美声…

メジャーデビューがライブアルバムであるということ〜百戦錬磨の実力派、松千

梅雨の鈍色の空のせいか、気分までどんよりしてくる。 どんよりした気分に、一服ならぬ一聴の清涼剤に、音楽などいかがだろう。 それは、突然の出会いだった。 2005年、僕がまだ学生だった頃。 物見遊山に毎年10月に開催されるミュージックシティ天神…

サザン・インパクト〜土着、そしてルネサンスの旗手カサリンチュ現る

確かなグルーヴと、アコースティックだからこそ産み出される緩やかで優しいメロディで、サーフミュージックの潮流を変えたのは、言うまでもなくジャック・ジョンソンだ。 2005年に発売された3rdアルバム「イン・ビトウィーン・ドリームス」は英語圏を席捲…

作り手柴田淳のアダプテーション的焦燥感〜柴田淳「ゴーストライター」雑感

シンガーソングライター界のブログの女王と言えば、柴田淳。 彼女には、もう一つ女王の称号がある。 それは、昼メロの女王。 ↓みゅーじん 特集:柴田淳 柴田淳 - YouTube 柴田淳 - YouTube 柴田淳 - YouTube 前には「夢」「幻」「紅蓮の月」、そして昼メロで…

継続の前提としての受容〜桂三枝の創作落語「赤とんぼ」と城南海「アイツムギ」

「新婚さん、いらっしゃい」の「いらっしゃ〜い」は、誰もがその口吻を真似たことは誰しもあることだろう。 そして、椅子の角を丸くしてまで、豪快にこけ、めりはりに欠ける素人の話に起伏をつけるその名司会ぶりもご立派。 日本の誰もが知っている吉本の師…

島唄とポップスの間〜元ちとせと城南海〜

いろんなことを書いてきたが、我ながらかっちかちでザブングルの加藤なので、ちょっと方向転換。 好きな音楽でも語ってみようと思う。 JPOPに島唄の風を吹き込んだ、先駆的“島唄ディーバ”と言えば、間違いなく元ちとせ ねぇね だろう。 島唄の歌い手とし…